うぁぁぁぁぁ!!!やばぁぁぁぁぁい!!
あれ?麻酔科のあっきー先生だ。どうしたんすか?
そろそろJB-POTの試験の時期なんだけど、勉強すれども底が見えなくて焦ってるんだよ・・・マジでやばい・・・
JB-POT?ってなんですか?
日本周術期経食道心エコー:Japanese Board of Perioperative Transesophageal Echocardiography(JB-POT:http://www.jb-pot.com)の略だよ。
年に1回、CBT形式で出題される試験で毎年11月頃にある試験なんだ。
へぇー、そんなのあるんですね。僕とかも受けられるんですか?
基本的には受験資格に制限なくて誰でも受けられるよ。ただ人気の試験だから早めに申し込まないとすぐに定員うまっちゃうよ。
よし!今なんも資格ないからとりあえず受けてみよ!
その心意気は良いけど、受験料が40000円(受かったら追加10000円くらい)+受けといた方が良い公式の講習会が44000円(麻酔科会員は33000円)と結構高いんだよね。さらに試験も結構難しいよ。
高っ!
難しいって、合格率とかってわかるんですか?
大体,40~50%くらいの合格率だよね。医師が受ける資格試験の中ではかなり合格率は低いほうかと。
めちゃむずじゃないですか 笑
JB-POT合格は心臓麻酔専門医に必要な条項として求められていますが、いわゆる「受ければ大体受かる試験」とは違い結構な難易度であると思います。
実際Dr.YUMAはJB-POT持っていますが、落ちた経験もあります。
合格率が低い原因としては試験の情報量が少ない点(公式の過去問がない)と対策のしづらい点(画像問題など)があり、初めて試験を受ける方は「何をしたらよいかわからない」という壁にぶつかるかと思います。
周りにJB-POTの資格を持っている人(JB-POTerともよばれるらしいです)がいればなんとなくアドバイスを受ける事ができると思いますが、周りにそんな人がいない方も多いと思われますので、ここではまず試験の概要(申し込み〜試験当日までの流れ)をざっと説明したいと思います。
1.申し込み
まず申し込みをしないと始まりません。JB-POTのホームページの「最新のニュース&おしらせ」ってとこを6月下旬頃からチェックしてください。
ちなみにここ最近いつ頃から始まったかというと、
2020年度 2020年8月1日(土) 0:00AM 〜 2020年8月3日(月) 13:15PM(コロナの影響で例年より遅め)
2019年度 2019年7月1日(月) 0:00AM 〜 2019年7月22日(月) 23:59PM
2018年度 2018年7月1日(日) 0:00AM 〜 2018年7月24日(火) 12:00PM
2017年度 2017年7月1日(土) 0:00AM 〜 2017年8月22日(火) 17:00PM
となっています.基本的に7月のはじめから募集開始して3週間前後の募集期間ですが、すぐに埋まってしまうので受ける方は申し込み開始と同時にすぐに申し込みましょう。
2.講習会
毎年3月(東京)と7月(大阪)で講習会があります(2020年度はコロナの影響で中止になったそうです)。
一度も受けたことはない方は、受講するか後日販売される講習会DVDを購入した方がよいと思います。講習会を受けた人は後日講習会DVD+テキストがついてきます。
ちなちみ講習会をうけるかメリットとしては
- 早めに授業内容を知ることができる→DVD発送は講習会から数ヶ月後なので、じっくりと時間をかけて対策をしたい方は講習会出てテキストゲットして対策することができます。東京講習会のDVDは6月頃ゲットできます。大阪講習会は受けたことありませんが,大阪講習会のDVDのみの場合は10月以降とかなり遅いです。
- モチベーションがあがる→筆者は東京の講習会しか出てませんが、講習会は実際の試験会場でもあるTKP品川ガーデンシティで行われます。この時点でややテンションがあがりますが、それに加えて数百人の受験生(年齢層は研修医クラス〜部長クラスまで様々です)と授業を受けるためモチベーションは高まるかと思います。
- 資格更新点数をもらえたり心臓血管麻酔専門医申請の実績対象となる→試験とは関係ありませんが、DVD販売にはない点です。
- DVDに収録されない情報がある→これはビックリしました。筆者はJBPOTの講習内容が好きなため,2017年度から講習を受けるかDVDを購入しています。2019年度から「問題解説」という項目が出来ており、この時筆者はDVDしか買っていないのですがDVDには「問題解説」の講義は収録されていなかったです。今後続くかわからないですが、要チェックでしょう。
- 久しぶりの知人に出会える→これはメリットでもデメリットでもあると思います 笑。
逆にデメリットとしては
- 少し高い→DVD+テキストなら麻酔科学会非会員29,700 ~33,000円、会員24,200 〜27,500円(最近PDFファイル付きだそうです)ですが、講習会の場合は、非会員44,000円、会員33,000円。
- 会場が2つのみ→会場は東京と大阪会場のみになります。会場近辺の方はよいでしょうが、遠方の方は泊まりで来ることになると思います。実際、会場にはコロコロスーツケースを持ってる人をチラホラ見かけます。
くらいでしょうか。一回も講習会に行ったこと無い人は可能であれば一度は講習会行くのをお勧めします。
講習会は2日間みっちり(10時頃から18時頃まで)やるので、前泊する人は講習前に飲み過ぎないようにしましょう(エコーの原理と基本で寝る可能性が高いです。)
ちなみに試験問題はここベースで作成される箇所もありますが、ここから全ての問題がで出るわけではないです。
3.直前講習
第○○回日本心臓血管麻酔学会のところから申し込めます(毎年6月頃)。
筆者は受講したことはありませんが、受講した方からプリントを頂いて試験を受けたところ、「出るよー」ってとこからある程度出てました。
可能な方は受講、またはプリントゲットが望ましいです(循環器内科の人は麻酔学会行かないと思うのでプリントゲットになると思います)。
ただ、受講またはプリントゲットできなかった人でも講義DVDなどの資料とほぼ一緒(スライド自体は)で講義する先生もほぼ同じなのでそこまで神経質になる必要はないかもしれません。
*2020年度はコロナの影響でWEB受講なので場所・人数制限なく受けられるのでお勧めです!
4.試験当日
当日の流れになります。
コロナの影響で2020年度は11:30からの受付開始みたいです。
例年はお昼休憩の時間がありました。
問題はビデオ問題:30~40題程度で時間は(90〜100分)、文章問題:80題(約100分)の構成となります。どちらも多肢選択をPCでクリックして解答していく形式となります(学生時代のCBTと一緒です)。
ここ最近ビデオ問題が増えている気がします。
大事なのは、合格基準となります。
①ビデオ問題の正答率60%以上かつ
②全体の正答率60%以上
(少なくとも2019年度までは上記)
という2つの合格基準があります。
つまりビデオ問題が6割いかないと落ちます。ここ最近ビデオ問題も増えていますので(しかも結構難易度高め)、現場での臨床判断を重要視している気がします。
問題対策に関してはまた違う記事で書きたいと思います。
当日、受付の際に透明なバッグを渡されて筆記用具と貴重品以外はクロークに預けることとなります。
なので今まで愛用していた参考書などは、この段階で試験終わりまでは見れなくなります(途中で荷物を出すことはできません)。
試験の順番としてビデオ問題→文章問題なので、この合間の休憩時間で30~40分くらい公式などの確認する時間があり、直前まで何とか参考書を見たい人には以下の方法があります。
①近くのホテルの部屋をとっておく
これなら部屋で見れます。ただ、おそらく1泊分の宿泊料金が出てしまう(試験時間的にチェックアウト時間を過ぎてしまう)といった出費が出てしまうデメリットがあります。
②参考書だけ駅のロッカーボックスにいれておく
会場から品川駅まで歩いて5分程度です。ロッカーボックスも結構ありますので、試験開始前に参考書をいれておいて近くの喫茶店で参考書を見ることができます(筆者はこれで30分くらい本を読んでいました)。
次に試験ですが、試験開始前にPCの使い方説明と、必ず計算問題が出ますので電卓が配られます。この電卓はお土産として頂けます 笑。
まずはビデオ問題からになりますが、以前はビデオ問題の視聴回数制限ありましたがここ最近それはなくなりました。
ただ、そんなに繰り返し観る時間もないので一つの問題で観れる回数は2~3回だと思った方が良いでしょう(動画によって再生時間はまちまちなので一概に言えませんが)。
その後、文章問題となります。計算問題は確実にとりたいところです。
上記ビデオ問題および文章問題の対策の具体例は、別の記事に譲ります。
試験終了後は、飛行機がある人を優先して退出させてもらえるなどの配慮があって嬉しいです。
以上、試験のおおざっぱな流れになります。
なかなか辛い試験ですが、受験生の方々は頑張ってください!