はじめましてー、研修医のきんかんですー。なにも分からないですが、おねしゃす!
はじめまして。循環器病棟看護師3年目のうりです。よろしくね。研修始まって少し経つけど病院は慣れた?
慣れましたよ!仕事以外なら!仕事やばいです!
そ、そうなのね・・・(やばそうな子ね・・・)
循環器ってわからない事ばかりで、全然慣れないんすよねー。特に心電図はイミフですわ。
そうしたら、循環器内科かたみ先生に聞くといいわよ!すごい優しい先生だから色々丁寧におしえてくれるわよ。
いや、わからないところがわからないんですよねー・・・
研修指導をしていると上のような会話によく遭遇することがあります。
特に「わからないところがわからない」は心電図勉強したての人がまず遭遇する疑問であり、かつ挫折させるポイントとなります。
自分もそうだったので、これが何でだか分かります。
これ、「普通の心電図(語弊が出るので、病的でない心電図とします)に慣れていない」が原因です。
あ、かたみ先生。
おー、なんか集まってるけどどうしたんだい?ん?新人の研修医くんかな?
あ!先生初めまして!仕事以外やばくない、きんかんです!よろしくです!!
お、おう・・・よろしくな。(やばそうな子だな・・・)
先生、きんかん君が心電図読めなくて困ってるんですって。
ほう。それはいけないね。心電図の勉強はしてるのかな?
やってますよ!心電図の本2〜3冊読みましたがサッパリです!!
なるほど。ちなみに、本じゃなくて「生の」患者さんの心電図はどれくらい読んだことあるのかな?
えっと・・・それだと・・2人くらいですかね。
そこだね。心電図を読めるようになるには本も大事だけど、実際の患者さんで読む事がとても大事なんだ。
今、心電図の書籍は循環器コーナーの定番であり、心電図が苦手な人はこぞって買いに行くと思います。
私自身、医学書を集めが趣味(?)なため、心電図の本もたくさん持っています。
最近の本はとても分かりやすく、よくまとまっています。実際に、医師9年目になってもまだ尚、新しい発見がたくさんあります。
「生の」心電図を読む前にまず型作りで1冊本を読むことはお勧めします(型作りには下の「心電図パーフェクトマニュアル(羊土社)」の本がお勧めです。後日心電図の本解説の記事も書く予定です)。
ただ、全ての心電図の本に共通して、心電図を勉強する上で不十分なことが一つあります。
それは、病的でない心電図の載っているページは1〜2ページ程度だということです。
当たり前の話ですが、正常心電図(これ以降病的でない心電図とします)にそう何ページも割ける本はないでしょう。
ただ、日々の診療でみる心電図の多くは病的心電図でないことのが多いです(スクリーニング検査など)。
この病的でない心電図に慣れていないため、その心電図が大丈夫なのかがわからず、「わからないところがわからない」ということにつながりやすいです。
実際、現在研修医の指導をしていますが、研修医に救急外来を受診した患者すべての心電図(どんな主訴でも)を読んでもらって添削をしています。
最初は慣れないためスピードが遅いです。それはそれが「病的な心電図かどうかがわからない」ところが大きいと思われます。
段々慣れてくると、これは「経過観察してよい心電図だ」とか「すぐにコンサルトする心電図だ」とかの判断が速くなってきます。
「生の」心電図を読むことのメリットはその他に、他の検査結果(血液検査、心エコー、レントゲン、CTなど)を自由に見ることができるという点です。
段々慣れてくると、「あ、これ肺性P波あるなー、心エコーで右心負荷ないかなー?」と他の検査と心電図を絡め合わせることができるようになります。
なので心電図がわからない人がとるべき戦略は、「型を覚えて生の心電図をたくさん読む」ことだと思います。
具体的にいうと500〜1000読んでください。無理なら100でもいい感じです。
そして、それでもわからなかったら循環器内科の先生に聞きに行くのです。
ただ、この段階でそれまでの自分とは違ってきていると思います。
なぜなら病的でない心電図に慣れた貴方は、「わからないところがわかっている人」だからです。
頑張ってください!
Dr.YUMAの循環器メモ①
型を覚えて生の心電図をたくさん読むことで「わからないところがわかる」ようになる。
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